「住育」とは、社会や街、家庭など幅広い角度から住まいと心のあり方を考え、「幸せな暮らし」を実現できる人と環境、知識を育むことである。

女性の目線で46年にわたり住宅建築を手がけてきた母、その後を追って建築の世界に入った私と妹の親子3人が、住まいの環境と住む人の心の関係について長年研究と検証を重ね、重要性に気づいた考えだ。

当協会では「住育」を提唱・実践し、さまざまな学びや体験を通じて住まいに関する知識や間取り、しつらいなどを計画・創造できる力を習得し、家族のライフステージに合わせて住まい環境や暮らし方を改善しながら、誰もが安心して活き活き暮らせる住まいと地域を創造する人と環境を育むサポート活動を展開している。

住まいの究極の目的は、住む人の「心の安定」と「人間形成」である。それを実現するためには「家族」「自然」とのふれあいを基本に、日々の暮らしが楽しく心豊かで、良い生活習慣につながる「配慮された住まいと暮らし方」が求められる。「住育」を取り入れ、実践することで、自然にその素地が育まれるのだ。

 

イライラの原因は住まいにある。

家は人を守り、育てる一番大切な場所である。長い時間を過ごす空間だからこそ、「住み心地」は大切な要素だと言える。

例えば、「部屋が暗い」「廊下の荷物をよけて通る」「ドアを開けたらすぐタンスがある」など、生活にちょっとした支障を感じることはないだろうか。慣れてしまうとだんだん気にしなくなってしまうのだが、その小さなストレスこそ実は、心身の大きな負担となることが多分にある。

当協会には、住まい環境について「気分がイライラする」「家事がしづらい」「部屋が散らかり片付かない」「コミュニケーションが取りづらい」といった悩みや不満を抱える女性(母親)たちから、多くの相談が寄せられる。その原因をひも解いていくと、その人自身の性格、家事や片付けの不得手ではなく、住まいの造りや環境にあることが分かってきた。

住まいと心には深いつながりがあり、その環境で家族の仲が良くも悪くもなり、心身の健康にも影響が出てくるのだ。「住育」の視点を取り入れて家の中を見直してみると、健やかで楽しく暮らすために必要な住まいの改善点が見えてくるのである。

 

住育の定義

学びや経験を通じて、住まいに関する知識や間取り・しつらいなどを計画・創造できる力を習得し、実生活面で家族のライフステージに合わせて住まい環境や暮らし方を改善しながら健全な住生活を実践し、くらしを真に楽しみ、誰もが安心して活き活き暮らせる住まいと地域を創造する人を育てることを住育という。

住育に関する基本理念

住まいの究極の目的は「心の安定」と「人間形成」であり、その実現のためには「家族のふれあい、自然とのふれあい」を基本とし、日々の暮らしを楽しく、心豊かで良い生活習慣につながる「配慮された住まいと暮らし方」が求められる。

 

  1. 住まいは、心の安定(いやし)の場である
  2. 住まいは、人間形成の場である
  3. 住まいは、豊かな心を育てる場である
  4. 住まいは、よき家族関係を生み出す場である
  5. 住まいは、安全・快適の場である
  6. 住まいは、家族を健康にする場である
  7. 住まいは、暮らしを楽しむ場である
  8. 住まいは、家事・子育て介護まで楽にできる場である
  9. 住まいは、健全な生活習慣を身につける場である
  10. 住まいは、自己実現の場である